鬼守の巫女
「第一に結界の入口はこの二つの石が無ければ開く事が出来ない。この二つの石と巫女……それが揃った時のみ、結界の入口は開かれる」
「結界の封印か。聞いた事がある。皇楼の更に地下に、大きな封印の扉があると」
父はそう言うと、少し考える様に指で顎を撫でる。
「そこには誰も近付けない様になっていた。……総本家当主、朧源以外はな」
父のその言葉に魏戎は頷いて返すと、それからまた小さく口を開いた。
「そう。その扉の先に結界の本体である……鬼が居る」
「……鬼?」
火伏さんがそう言って窺う様に魏戎を見つめる。