鬼守の巫女

「そう、お前達が使う力は、鬼の力。お前達が真名と呼ぶその名は、鬼が使役していた式神の名だ。その名を呼ばれれば式神の力が解放され、本来の力を使える様になる。言うなればお前達一族も……我等鬼と同じ。鬼と深く混じり合ったお前達は、すでに人ではない別の生き物だ」

魏戎のその言葉に、火伏さんはグッと息を呑むとボリボリと乱暴に頭を掻く。

「鬼を狩る俺達一族も……所詮は鬼と同じ……か」

火伏さんはそう小さく呟いて自嘲気味に笑う。
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