鬼守の巫女
「お前と共に暮らしていた男。あれはお前の父親ではない。十六年前、この皇楼でお前は生まれた」
そう言って男は懐かしむ様に目を細める。
「先代の巫女と……そして先代の総本家当主との間に生まれたのがお前だ」
「総本家……当主?」
「この皇一族の中で最も地位の高い者の事だ。《朧源》を襲名し、一族を守る長。今は私の事だがな」
男はそう言うと自分の着物の胸元を開いて見せる。
すると男の左胸に、私と同じ星形の痣があった。