鬼守の巫女

でもあの家にはもう一年以上暮らしている。

私が中学生の時、もう転校はしたくないと父と口論になった事があった。

父は頑なにそれを無理だと言ったが、私は意地でも譲らなかった。

……私は転校を繰り返していたせいで、あまり友達がいなかった。

せっかく仲良くなっても、すぐに別れの日が来てしまう。

本当は少しだけ……父を恨んでいた。

私はいつも一人ぼっちで、いつも寂しかった。
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