鬼守の巫女
第四十三章 赤瞳の鬼
そっと目を開くと、辺りは白い霧に包まれていた。
……ここはどこ?
そんな事を思いながら辺りを見回すと、そこはどうやら公園の様だった。
焼ける様な夕焼けの公園。
その中で私は……泣いていた。
声を殺し、ポロポロと涙を流したまま、一人ぼっちの公園でブランコを揺らしている。
……どうして……泣いているんだろうか。
その理由は分からない。
ただどうしようもない悲しみと孤独に、涙は溢れる様に頬を伝って行く。
すると目の前に、誰かの気配を感じた。