鬼守の巫女

「瑠愧……こんな所で何をやって……ん?」

そう言って少年の後ろに立つ男は私を見ると、少し驚いた様に目を見開いた。

「ほう。これは驚いた。……鬼守の巫女が逃げたと言うのは本当だったようだな」

男はそう言って笑うと、ゆっくりと私に近付いて来る。

「これを運命と言うのだろうか?こんな所で巫女様に会えるとはな」

そう言ってニヤリと笑った男の顔にも白い霧が覆い、その表情はよく見えない。
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