鬼守の巫女

「次は何して遊ぶ?」

満面の笑みで振り返ったその時だった。

公園の入り口に父の姿を見つけた。

息を切らし、顔を真っ青にした父は、額に汗を掻きながら辺りをキョロキョロと見回している。

思わず男の後ろに隠れ、父に見つからないようにと息を殺す。

その私の様子と、誰かを必死に探している様に見える父の姿を見て、二人は顔を見合わせる。
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