鬼守の巫女

「……凪!!」

急に名前を呼ばれ振り向くと、そこには私の姿を見つけ、険しい顔をしたまま走り寄って来る父の姿が見えた。

父はそのまま凄い勢いで私に走り寄ると、グッと唇を噛み締める。

……怒られる!!

そう思い父の怒声に構えギュッと目を瞑ったその瞬間……父の香りがした。

強く強く抱き締められたまま、ポカンと口を開く。
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