鬼守の巫女
……全てを救う事なんて出来ない。
二人の悲しい笑みを見つめたまま、ふとそんな事を思う。
……でも私はやらなくちゃいけない。
この二人の気持ちを……私を守ってくれたあの鬼達の気持ちを裏切ってはいけない。
……私は私にやれる事を精一杯やろう。
それが偽善でも、綺麗事でも、ただの強がりでも、なんでもいい。
この人達の気持ちは……絶対に裏切らない。
急に黙ってしまった私を見つめて、不思議そうに首を傾げている二人を真っ直ぐに見つめたまま……そう誓った。