鬼守の巫女

「居たぞ!!鬼だ!!」

悠然とビルに向かって行く彼等を見つけた生徒が、他の生徒を呼び集める。

「行くよ」

瑠愧のその言葉に皆は深く頷いた瞬間、魏戎が私を抱き抱える。

「え!?ちょ、ちょっと!?」

「これから地下まで走り抜ける。落ちるなよ?」

困惑する私に魏戎はそう言って笑うと、そのまま凄い速さでビルに向かって走り出した。

武器を手にした生徒達は私達の姿を見つけると、驚いた顔をしてこちらを見つめている。

しかしそれを無視して皆はビルの中に入ると、そのまま地下へと向かって駆け下りて行った。
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