鬼守の巫女

「捺様!!お待ちください!!」

後ろから生徒達の叫ぶ声が聞こえるが、火伏さんはそれを無視して走り続ける。

それから暫く進むと、どこまでも続く長い廊下が見える。

「扉はどう開く?」

廊下を走り続けると、皇楼と同じ朱色の扉が見えた。

「凪!手を翳せ!!」

火伏さんのその叫びにそっと手を翳すと、扉が重たい音を響かせて開く。

しかしその先に見えた光景に……思わず息を呑んだ。

魏戎は私をそっと地面に下ろすと、それから小さく溜息を吐いた。
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