鬼守の巫女
「何故こんな事に……俺達は一体どうしたらいいのですか」
そう言って彼は縋る様に火伏さんを見つめた。
「お前達が出来る事は一つだ。……そこを退け」
火伏さんはとても真剣な顔をしてそれだけ言うと、真っ直ぐに彼を見つめた。
「出来ません。朧源様に貴方達を通すなと命じられています」
「そうか。……それなら仕方が無いな」
火伏さんがそう言うと、彼の手に不思議な刀が姿を現す。
それを見て周りの生徒達が緊張した様に表情を強張らせた。