鬼守の巫女

「守るよ!!」

突然の私のその叫びに、皆の視線が私に注がれた。

「この鬼達は……絶対に約束を守る」

そんな何の確証もない私の言葉に、皆はポカンと口を開けて私を見つめている。

「そうだな。俺もそれを信じてみると決めた。こんなくだらない人生を享受するよりも……よっぽど面白そうだからな」

そう言って火伏さんはクスクスと笑うと、窺うように魏戎を見つめた。

「それはどうも」

魏戎はそう素っ気なく答えて、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。

その顔が少しだけ嬉しそうに見えるのは……私の気のせいだろうか。

顔を見合わせて笑う可笑しな二人の姿に、生徒達は唖然としたまま二人を見つめていた。
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