鬼守の巫女

「それで……アンタは何のつもりでココに居るの?」

瑠愧のその豪く冷静な問いに、皆の視線が眞水さんに向けられた。

「朧源様からお前達を殺せと命じられている。巫女と……その《鬼以外》は、とな」

そう言って眞水さんは魏戎を見つめた。

「どうして……魏戎を?」

その私の問いに眞水さんは小さく首を傾げる。

「さぁな。俺には朧源様の考えが理解出来ない。今の一族の内部は荒れに荒れている。外の世界で育ち鬼と手を組んだ巫女に、一族を裏切った火伏と木住野の当主。尚も弱まる結界に、独断で勝手な行動を取る総本家当主。内部は大混乱だ」

眞水さんはそう言うと困った様に笑う。
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