鬼守の巫女
第五章 月の少女
「こちらが巫女様のお部屋です」
そう言って少女が襖を開くと、畳の敷かれた大きな部屋が広がっていた。
その部屋の中には大きな鏡台や桐の箪笥、それから美しい墨絵の描かれた屏風など……高そうな家具が置かれている。
「着替えや寝間着などは箪笥に入っておりますが、気に入らなければ新しい物をご用意致します。その他に必要な物がありましたら何なりとお申し付け下さい」
「……は、はい」
少女にコクリと頷いて答えると、そっと部屋に足を踏み入れた。