鬼守の巫女
第四十九章 鬼恋物語

魏戎が買い物に行っている間、皆はそれぞれ好きな事をして時間を潰していた。

火伏さんは窓から外の様子を窺っているし、木住野さんは壁に背を付けたまま眠っている。

私の隣に座る瑠愧は琥珀と何やら楽しそうに遊んでいるし、魅麗は……何か思い詰めた様な顔をして部屋の隅で俯いていた。

「どうかしたの?」

そっと彼女に近付き声を掛ける。
< 645 / 912 >

この作品をシェア

pagetop