鬼守の巫女

「……ちょっと……ね」

魅麗は俯く顔を上げて私を見ると、小さくそう答えた。

そのまま魅麗は何も言わないまま、またさっきと同じ様に表情を曇らせて俯いてしまう。

そっと魅麗の横に腰を下ろすと、窺う様に彼女を見つめる。

何て声を掛けたらいいのか分からないまま、ただ静かに彼女の様子を窺う。

すると魅麗は急に顔を上げ、そっと私を見つめた。
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