鬼守の巫女

「私ね……好きな人が居たのよ。ずっと……ずーっと昔の事」

急に語り出した魅麗の話に、ただ静かに耳を傾ける。

「その人はホント超が付く程のお人好しで、とても優しい……人間だった」

……人間。

魅麗の言葉を頭の中で反芻しながら、ゴクリと息を呑む。
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