鬼守の巫女

「死んだの……彼。鬼に喰われてね」

魅麗の桜色の唇から放たれた残酷な真実に、心臓がドクンと大きく鼓動を打つ。

「それって……」

そこまで言って声を詰まらせると、魅麗は悲しそうに笑って小さく頷いた。

「優しい人間はすぐに死んでしまうわ。だから私……貴女が嫌いよ」

魅麗はそう言ってニッコリと笑うと、そっと私の頬に触れる。

彼女の白くしなやかな指が私の頬に触れ、その少し冷たく感じる指の感触に微かに体を震わせる。
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