鬼守の巫女
「放せ!!」
土室さんは声を荒げ火伏さんを突き飛ばすと、不機嫌最高潮の様で、険しい顔をしたまま一歩後ずさる。
「アンタは真面目過ぎるよ。敵が皆、正々堂々と勝負してくれるなんてありえないぜ?」
そう言って火伏さんは少し小馬鹿にした様にケラケラと笑うと、そのまま私を見つめる。
彼と目が合った瞬間、石を手にするとそのまま出口に向かって走る。
「お待ちください!!凪様!!」
土室さんがそう言って私を呼び止めるが、それを無視して出口まで走ると、彼の縋る様な瞳から逃れる為に魏戎の後ろに隠れた。