鬼守の巫女

「早くしないと他の家の奴らもここに集まって来る!急いでここを出るぞ!!」

火伏さんはそう言って早く来いとばかりに手招きをしている。

それを見て土室さんはクスリと笑うと、手にしていた剣を消した。

「私は貴女達の後を追うなと命じられている。それが何を意味しているのか……いずれ分かる事でしょう」

彼のまるで予言の様なその言葉と共に、少し表情を曇らせた魏戎に手を引かれ走り出す。

その後ろを彼が追って来る事は無く……どうしようも無い不安に瞳を揺らしたまま、走り続けた。
< 669 / 912 >

この作品をシェア

pagetop