鬼守の巫女
第五十一章 救えぬ者
あれから私達は廃ビルに戻って来た。
……残る石は小金家の本堂にある。
小金井家には明日、日が昇ってから向かう事になっていた。
皆はそれぞれ自由な時間を過ごすと、壁に背を付いたまま眠ってしまった。
私は一人寝つけず、ビルの屋上で空を見上げている。
……これからどうなるのだろうか。
空に浮かぶ美しく……何故か悲しく見える月を見上げたまま、ギュッと膝を抱えた。
……あと二つで石は揃う。
そうしたら私達は皇楼に向かい……結界を壊す。