鬼守の巫女

「いいんだよ……凪。僕等を恐ろしいと思う事は、人として当然の事だ。それを僕等は分かってる。……分かってるから」

まるで私の考えていた事が分かるかのように、そう言って瑠愧は優しく笑うと、私の頭を撫で続ける。

「にゃ~」

琥珀が泣き続ける私に体を摺り寄せ、心配そうに小さく鳴いた。

「……ごめんなさい。ごめんなさい」

繰り返しそう呟きながらそっと目を閉じる。

溢れる様に伝って行く涙の温かさを感じたまま、ギュッと強く膝を抱えた。

悲しい月の光に照らされたこの夜に、私は自分の弱さと……救えないモノの重さを知った。
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