鬼守の巫女
第五十四章 爆ぜる雷
勢いよく灰色の扉を押し開くと、そこには抜ける様な青い空が広がっていた。
そのまま屋上に飛び出すと、慌てて扉を閉める。
「……ハァ……ハァ」
肩で息をしながらフェンスに近付くと、そっと下の様子を窺う。
この廃ビルの前の道には沢山の車と黒い影が見える。
……こんなに居るの?
その数の多さに驚き、ゴクリと息を呑んだ。
「にゃ~」
私の肩に乗ってる琥珀も、その数の多さに弱々しい声を漏らす。
……魏戎達は大丈夫だろうか。
そんな事を思ったその時だった。