鬼守の巫女

「私は信じてる!!鬼と人間は共に生きて行けるって!!」

そう言ってギュッと拳を握り締める。

「私は瑠愧が好き!魅麗が好き!魏戎が好きだよ!!だから皆で幸せになりたい!!その為に今この場所に居るの!!その為だったら私、何でもする!!だから……だから……」

そこまで言って声を詰まらせ俯くと、魏戎の体から禍々しいオーラが消えた。

「……凪」

小さく名前を呼ばれそっと顔を上げると、そこにはいつもの優しい彼の赤い瞳が見える。

それは切なく揺らめく美しい赤い瞳。
< 748 / 912 >

この作品をシェア

pagetop