鬼守の巫女

「それで……昇馬の気は晴れたの?」

地面に力無く寝転び、ゼイゼイと呼吸を荒げる小金井さんを見下ろして、木住野さんはそう問い掛ける。

「……全然」

小金井さんはそう答えるとゴソゴソと制服のポケットを漁り、そこから何かを取り出すとそれを地面に投げ捨てる。

コンと軽やかな音を立てて……コンクリートの地面に小さな石が転がる。

それは何て事の無い何処にでもある様な普通の石。

その二つの石はコロコロと転がると、木住野さんの靴にコンと当たり止まった。
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