鬼守の巫女

「……何のつもり?」

「欲しいんだろ?やるよ。別に俺は朧源様に石を守れとは言われていない」

小金井さんはそう言ってクスリと笑うと、《いててて》と痛む体を押さえて静かに目を閉じる。

木住野さんは地面に転がった石を拾うとそれを私の元へと持ってきた。

「……凪様」

「は、はい!」

腕でゴシゴシと涙を拭って手を差し出すと、その石を受け取った。

その瞬間、辺りが眩い光に包まれ……そして手の平の上に二つの美しい石が姿を現す。

深い海の様な青い石に、不思議な黄色い光を放つ透明な石。
< 754 / 912 >

この作品をシェア

pagetop