鬼守の巫女

一瞬の闇の中、すぐに眩しい光が私を襲う。

それにギュッと目を閉じたまま小さく身を竦めると、その光は次第に収まって行った。

そっと……目を開く。

そして見えた光景に……愕然とした。

「……ここ……は」

小さく声を漏らし、フラフラと視線を揺らす。

目の前には私の知っている景色が広がっていた。

抜ける様な青い空に輝く眩しい太陽。

どこからか吹いて来る風。

サワサワと囁く草木に、流れていく水音。

そして古く……大きな屋敷。
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