鬼守の巫女

「……おかえり」

後ろから聞こえたその声に、ビクリと身を竦ませる。

心臓がドクドクと早鐘の様に鼓動を打ち、体中に不快な汗が滲み出る。

……私はこの声を知っている。

グッと拳を握り締めたまま、勢いよく振り向くと……そこには一人の男が立っていた。

「……朧源」

そう小さく彼の名を呼ぶと、朧源はニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
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