鬼守の巫女

「私はいつでもお前を取り戻す事が出来た。お前が七宮と逃げている時も、鬼に浚われた時も、ここから逃げ出した時にもだ。私は本当なら、お前をすぐにこの場へ連れ戻す事が出来たんだよ」

「……どうして」

「全てはこの時の為だよ。お前が石を手に入れ、そして鬼の深い信頼を手に入れる……この時の為だ」

朧源はそう言ってクスクスと笑った。

その笑みはどこか歪で、不気味な笑みに見える。
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