鬼守の巫女

「私に……何を……させるつもりなの?」

震える私の問いに朧源は浮かべていた笑みを消すと、それからそっと私に手を伸ばした。

迫る彼の手にビクリと身を強張らせると、朧源は静かに私の制服に手を触れる。

そしてその手が制服のポケットを漁ると、彼の手に……美しく光る七つの石が握られた。

「……力を取り戻した七つの石。そして歴代の巫女の中でも強い力を持つお前。そしてあの鬼の《心》をお前が手に入れる。それで全ては揃う」

朧源はそう言うと震える私の頬に手を触れた。
< 765 / 912 >

この作品をシェア

pagetop