鬼守の巫女
「すぐに分かる。その時はお前に全てを教えてやろう。あの鬼がお前に隠している……全ての事を」
朧源はそれだけ言うと、そのまま歩き出す。
「……待ってよ!!ねぇ!!」
そう声を上げ彼を呼ぶが、朧源の足は止まらない。
……魏戎が……隠している事?
朧源の言ったその言葉が、私の心を激しく揺さぶり続ける。
……信じちゃだめ。
……朧源はああやって私の心を乱すつもりなんだから。
……信じちゃ……だめ。
そう心の中で呟いた瞬間、頭の中にあの時聞こえた女の人の声が響く。