鬼守の巫女

「……これから……どうなるの?……皆はどうなったの?……教えてよ」

震える声でそう呟き、縋る様な目で馨さんを見つめる。

「……あの鬼達はあの場から逃げた様です。小金井家の者から連絡が入りました。昇馬さんは怪我を負っている様なので、今、皇楼に向かっています」

馨さんはそう答えると、肩を掴んでいる私の手をそっと握った。

彼女の白くしなやかな手の温もりにビクリと身を竦めると、馨さんは悲しそうに笑って私を見つめた。
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