鬼守の巫女

「それがかつて……人間を根絶やしにしようとした鬼でも……ですか?」

その彼女の嘲笑う様な呟きに、ドクンと大きく心臓が鼓動を打った。

「……何を……言ってるの?」

何とか声を振り絞りそう問い掛けるが、馨さんは憐れむ様に私を見つめたまま……何も答えない。

そして次の瞬間、パタパタと誰かが廊下を走って来る音が聞こえた。
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