鬼守の巫女
第五十九章 金の記憶
「立ちなさい!!それでも小金井家当主なのですか!!」
突然の怒声にビクリと身を竦めた瞬間、眩い光と共に知らない景色が目の前に広がった。
灰色の冷たい床の上に、ボロボロの少年が横たわっている姿が見える。
そしてその周りには様々な武器を手にした男達と……険しい顔をした女の人の姿が見えた。
「いつまで寝ているつもりなのですか!!早く立ちなさい!!」
女の人が少年に向かってそう叫ぶと、剣を手にした少年は小さく呻きながらフラフラと立ち上がる。
しかし途中で足の力が抜け、ガクッと地面に崩れ落ちた。