鬼守の巫女

「……来いよ」

少年がそう小さく呟いてニヤリと笑うと、男達が一斉に少年に襲い掛かる。

少年はボロボロの体を引き摺り、それでも華麗に剣を振るうと、一人、また一人と男達が地面に倒れて行った。

しかし次の瞬間、少年の腹に男の一撃が決まり、少年の幼い体が吹き飛ばされ、ゴロゴロと地面を転がった。

「何をやっているのですか!!そんな事で鬼を倒せるとでも……お父様の仇(カタキ)を取れると思っているのですか!!」

女の人のヒステリックな金切り声が辺りに響き、その中で少年が苦しそうに息を荒げている。
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