鬼守の巫女
「昇馬!大丈夫!?」
そう叫び離れていた少年が地面にうつ伏せたままの少年の元へと走り寄る。
「……平気」
地面に伏せたまま少年はそう答えてニヤリと笑うと、そっと体を起して……着物の少年を見つめた。
「相変わらず酷い扱いだな……昇馬。もうお前の母親は心を病んでしまっている。それにわざわざ付き合ってやる事もないだろうに」
そう言って着物の少年は憐れむ様に笑うと、そっと地面に座ったままの少年に手を差し伸べた。
「……いいんです」
少年はそう言って笑うと、そっと着物の少年の手を取った。
「鬼が憎いのは俺も一緒ですから」
ボロボロの少年はそう言ってフラフラと立ち上がる。