鬼守の巫女
「運命とはこんな時に使う言葉なのかもしれないな。こんな所でお前に会えるとは思っていなかったよ……鬼守の巫女」
そう言って男がクスクスと笑う。
「……おに……もり?」
男の言葉をそのまま繰り返すと、男はニヤリと笑って小さく頷いた。
「鬼を狩る一族の巫女。我々『鬼』の最大の敵。そして結界の守護者」
「……は?」
男の口にする意味不明な単語の羅列に、ポカンと間抜けに口を開いたまま男を見つめた。