鬼守の巫女
第六十一章 封鬼の剣
朧源に導かれるまま、薄暗い階段を下りて行く。
螺旋を描く様にどこまでも続く階段を下り続けながら、次第に鼓動が速まるのを感じた。
……どれほど階段を下りただろうか。
目の前の階段が途切れ、そして真っ直ぐに続く道が見える。
規則正しい距離に蝋燭が燈され、その揺らめく淡い光の中を進んで行く。
地下のどれくらいの深さにあるのかも分からないこの場所は、とても綺麗に整えられている様に見えた。
その道を朧源の背中を追う様に進んで行くと、目の前に大きな朱色の扉が姿を現した。
そしてまるでその扉を守るかのように、二匹の銀色の狼の姿が見える。