鬼守の巫女

「私はこの世界を救いたい。この一族を……この国に生きる者達を守りたい。その為に……あの鬼を封じてはくれないか」

その彼の言葉に、ゴクリと息を呑む。

「お前にとっては辛い現実かもしれない。それを選べばお前は結界に生命力を吸われ……普通の人間よりも早く死ぬ事になるだろう。しかしそれでも……選んではくれないか」

朧源はそう言うと、静かに私に近付いて来る。
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