鬼守の巫女
「魏戎!!止めなさい!!……凪!!聞いて!!魏戎は……」
魅麗が必死に何かを訴えようとするが、すでにその声は私には届かない。
変える事の出来ない運命に導かれる様に、剣を握り締めたまま魏戎に歩み寄る。
悲しそうな瞳で私を見つめる土室さん達の横を通り過ぎ歩き続けると、ついに赤い円の元へと辿りついた。
「……お前が望むのなら……それでいい」
魏戎はそう言って優しい笑みを浮かべると、そのままそっと地面に横になった。
「魏戎!!ダメだ!!」
瑠愧が必死に声を荒げるが、魏戎は地面の横たわったままそっと目を閉じる。