鬼守の巫女

……こうなる……運命だった。

初めから……全てはこうなる様に仕向けられていた。

……私は《鬼守の巫女》

……結界を守りし者。

……私はやらなくてはならない。

世界を……救わなくてはならない。

涙は音も無く頬を伝い落ち、しかしそれを無視してそっと赤い円の中へと足を踏み入れる。

その赤い光が私を拒絶する事は無く、薄い膜を抜けた様な不思議な感覚がした後、微かに……彼の香りがした。

そっと目を閉じると、あの時見た夢と……今の状況が重なって見える。
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