鬼守の巫女
第六十三章 遠き真実

……ガキン!!

そう甲高い音を立てて……地面に剣が突き刺さった。

剣の刃が微かに彼の頬を掠め、そこから真っ赤な血が流れて行く。

ハァハァと荒い呼吸で肩を揺らしたまま、剣をきつく握り締めた。

「……凪」

魏戎が小さく私の名を呼び、しかしそれに答えないままボロボロと涙を零す。
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