鬼守の巫女

「……どうして……どうして」

そう何度も繰り返しながら、まるで小さな子供の様に泣き続ける。

「……すまない……凪」

そう言うと魏戎は私の腕を引き寄せ……そっと抱き締めた。

彼の香りに抱かれ、彼の温もりを感じたまま静かに目を閉じる。

すると何処か遠くから……誰かの声が聞こえる。
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