鬼守の巫女
「……魏……戎……さま」
子鬼の一人が小さく……彼の名を呼ぶ。
「そうだよ!もっと呼べ。お前達のご主人様をな!!」
男達はゲラゲラと哀れな子鬼達を嘲笑い、そして子鬼の体に無慈悲な攻撃を繰り返す。
「……たす……け……て」
擦れ聞き取る事すら困難なその呟きに、胸が抉られる様に痛んだ。
……どうして……こんな……
ギュッと強く拳を握り締めたその時、夕焼けの空の下に二つの影が見える。
それは静かにゆっくりと子鬼達の元へと向かってきた。