鬼守の巫女

《どちらが先か……そんな事は何の意味も持たない》

目の前の彼女はそう言って悲しそうに笑った。

《彼はそのまま初代巫女、柳の村を襲い……そして人間を滅ぼそうとした》

その彼女の言葉に、胸がズキズキと痛む。

《後は……知っているでしょう?》

彼女の問い掛けに小さく頷いて返す。

……村を焼かれた巫女は鬼を憎み、そして鬼を封じる為巫女の力を手に入れた。

そして鬼の……魏罫の力を使い結界を創り出した。

……鬼を……魏戎の力を封じる為に。
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