鬼守の巫女
《憎しみは連鎖し、そして廻る。終る事の無い輪廻を紡ぎ、そして幾度も繰り返される。……悲しい争いが》
彼女はそう言うと、そっと私の頬に指を触れた。
《彼は……赦そうとした。過去を悔い、そして罪を抱いたまま……人と共に生きる未来を貴女と共に探すと誓った。その想いも……貴女は信じられないの?》
彼女はそう言って少し意地悪そうに笑う。
《誓ったのでしょう?共に……信じ合うと。互いを裏切らないと。自分の心に誓い合ったのでしょう?》
その彼女の言葉が胸に突き刺さった。
……そう。
……私は信じると誓った。
……あの鬼を……私の知っている《今》の魏戎を。