鬼守の巫女
「簡単に諦めたりなんかしないでよ!!こんな世界が貴方の全てじゃない!!外の世界の事なんて何にも知らない癖に全部諦めて、死んで楽になろうなんてズルイよ!!」
「……凪」
私のその叫びに朧源は震える声で私の名前を呼んだ。
「一緒に見に行こうよ!!……本物の太陽を!!」
そう言って彼を振り返りニヤリと笑みを見せると、朧源は俯き……そして微かに笑った。
『……柳……何故だ……何故……邪魔をする……』
魏罫のその呟きと共に、私の頭の中に声が聞こえる。
《……このままでは……彼が世界を滅ぼす存在となってしまう。……魏罫を……討ちなさい。……貴女と……あの鬼ならば……きっと……》
その声は私の中で悲しく囁く。