鬼守の巫女
「魏戎!!その剣を拾え!!」
その朧源の叫びに、魏戎はハッと目を開くと地面に突き刺さったままの剣を拾った。
「……凪、石を空に投げろ。そして呼べ……この鬼の《仲間》の名を」
朧源はそう言うと真っ直ぐに私を見つめた。
それに深く頷いて返すと、七つの石を取り出し……それを空に向かって投げた。
するとその石は眩い光を放ち、それぞれの行くべき場所へと飛んでいく。
「……これは」
木住野さんの元に飛んで行った緑色の石は、彼の手の上で眩しく光る。
《……真名を……私の大切な『友』の名を》
頭の中に響いたその声に小さく頷いて答えると、そっと目を閉じる。
……そう……私は知っている。
遠い昔の、優しいモノ達の……その名を。