鬼守の巫女

「……琥珀!!」

その名を呼んだ瞬間、木住野さんの体から翡翠の光が立ち昇る。

その光は美しく揺らめき、そして大きな獣の姿を映し出した。

「糺!縲!焔!潮(ウシホ)!!鐵(クロガネ)!!壌神(ツチガミ)!!」

七匹全ての名前を呼び終えると、皆の体から不思議な揺らめきが立ち昇る。

そしてそれは空中で一つに集まると、静かに魏戎の元へと向かって行った。

「……懐かしい……光りだな」

そう魏戎が小さく呟き悲しそうに笑った瞬間、その光は魏戎の握り締める剣へと吸い込まれた。

そして辺りが目も眩む様な眩しい光に包まれ、そして見えた姿にゴクリと息を呑んだ。
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